単語の定義の話

単語、大切ですね。
言語というのは単語の連続であり、単語がなければ文字だけで物事を伝えることができません。

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上の画像の物質は「りんご」と呼称されています。一般的に「りんご」と聞いた人類はこれを思い浮かべることでしょう。

一方で単語というのは以外にも曖昧な物で、一口に「りんご」と言ってもサイズは様々でしょうし、色味も様々で、青いものを思い浮かべる人もいるでしょう。世界的IT企業のロゴか、もしくはその製品や会社そのものを思い浮かべる人もいることでしょう。りんごを見たことも聞いたこともない人がいるのであれば、その人にとって「りんご」は何の意味も持たない文字列に過ぎません。

何故こんな話をするかと言うと、「うったて」の文章を書いてくれとフォロワーに言われたからです。好き勝手書くぞ。残念だったな。
うったて。UTTATE。先の文の通り、多くの人にはこれは何の意味も持たない文字列であることでしょう。
うったてとはこれのことです⬇
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(これもフォロワーから貰った画像)

はい。「うったて」です。それ以外に表しようがない。
「筆で文字を書く時の一番最初のなんかぐって力を入れたらできるあれ」です。
(調べたところ「起筆」というらしい。初めて知った。)
これが日常会話で使用されているところは寡聞にして聞いたことがありませんが、使う人は使うらしい。由来もあるそうで、とても謎だということがわかります。

佐野 榮輝 (さの えいき)様 ウッタテ考
http://www.ndsu.ac.jp/sp/department/japanese/blog/2006/01/essay27.html

方言独特の特定の概念だけを包括する表現というのはとても面白く、その地域の暮らしぶりなども透けてきますね。(具体例が出てこない。許して)
程度の表現なんかもよく調べると特定の条件でしか使わなかったりと、創作で方言を出す時にしっかり研究していないと大惨事になったりします。

これが言語になるとさあ大変という話になり、日本人はそのへんが適当で本当に大変な事が起こってきているという話もあります。
アナログゲームの民なら誰もが通る、Diceはサイコロと訳すがサイコロは6面ダイスしか指さないので説明が大変という問題なら可愛い方です。
原義に盤上遊戯を含む「sports」を初期段階で「体を動かす運動」と訳してしまったせいで、今になってeーsportsという考え方が受け入れられなくて大変なことになっていますね。
海外で戦没した日本兵の慰霊碑の「英霊」をHeroと表記したことで現地の人間が大激怒というニュースも最近見ました。
言語が異なると基盤となる思考の傾向、倫理観の形成パターンが違うので、我々物書きにも悩ましい問題です。

そんな話でした。
それじゃあ、また、いつかどこかで。